基本情報技術者試験などのIT関連の勉強を行っていると必ず現れるのが『OSI参照モデル』です。
OSI参照モデルの説明と本当に業務で使うのかという点も踏まえて解説を行っていきます。
OSI参照モデルは業務で使うのか
中学生や高校生のときに、『将来数学の因数分解なんて使わないし、勉強する意味や覚える意味ある?』と思ったことは一度はあると思います。
基本情報技術者試験などのIT関連の勉強を行っていても、『これ業務で使うの?』と同じようなことを思うタイミングはあるかと思います。
私は新入社員研修の一環で基本情報技術者試験の勉強を行いましたが、個人的には業務で使うの?と思った1つにOSI参照モデルがあり、本当にL1層~L7層まで全部覚える必要があるのか、業務で使うのかと思いました。
結論から申し上げるとネットワークエンジニアという職種において、OSI参照モデルは業務でつかうのかというと業務で使います。
ネットワークエンジニアとして働き始めて5年以上経ちましたが、OSI参照モデルは業務で使いますので自然と覚えるようになりました。
どんな時に使うかはトラブルの切り分けなどのタイミング使います。
少しOSI参照モデルの内容に触れますが、トラブルシューティングではレイヤの低い階層から切り分けを行っていくことが定石です。
ケーブルは刺さっているか、接続しているVLANは間違っていないか、Pingは届くか…のようにレイヤの低い階層から行っていくことが定石です。
ケーブルは刺さっているかはL1層:物理層の観点で、接続しているVLANは間違っていないかはL2層:データリンク層の観点で、Pingは届くかはL3層:ネットワーク層の観点です。
このように物理層、データリンク層という名称を単体で使うというよりも、物理層の技術やデータリンク層のネットワーク機器というように、各層に分類される技術やネットワーク機器と合わせて用います。
OSI参照モデルの各層の名称だけで覚えるよりも、階層に分類される技術やネットワーク機器と一緒に合わせて覚え、理解することが重要です。
本記事では各階層に分類されるネットワーク機器、技術も合わせてご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
OSI参照モデル
Webページを見たいという1つの通信で、HTTP、DNS、TCP、IPアドレス、ルータ、PC、ケーブルなど、様々な技術やネットワーク機器が登場します。
このようにネットワークにおける技術や機器の役割は非常に複雑です。
OSI参照モデルは役割ごとに階層化、分類することで、わかりやすくするという目的があります。
HTTP・HTTPSの通信フローは『こちら』
表の中で使用しているLはLayer(レイヤ)の略です。
レイヤ1(いち、わん)層と呼ぶ人もいますし、L1層(えるわん)と呼ぶ人もいます。
各階層には名称がついていますので物理層と呼ぶ人もいます。
どう呼ぶかは好みの問題ですが、L1=物理層というように各層の番号および名称まで覚える必要があります。
各階層の主な役割をご紹介します。
それぞれの役割を理解することは重要ですが、一字一句覚える必要はなく、イメージとして覚えれば十分です。
L7層:アプリケーション層
Webを見るならHTTP、ファイル転送ならFTPのように、アプリケーションごとに定義されています。
L6層:プレゼンテーション層
文字コードなどのように、アプリケーション層で用いられる形式(フォーマット)を定義するという役割があります。
L5層:セッション層
通信の開始・終了、通信の途中で途切れた場合は復旧させるなどの、通信を管理する役割があります。
L4層:トランスポート層
データが欠けていないか、欠けていた場合は修正や再送を行うなどの、通信を正しく届けるという役割があります。
L3層:ネットワーク層
離れている相手に対して通信を行う、どの経路を用いて届けるか選択するという役割があります。
L2層:データリンク層
直接接続されている相手に通信を届けるという役割があります。
L1層:物理層
0と1を電気信号に変換を行う、ケーブルの形状などを定義するという役割があります。
OSI参照モデルとネットワーク機器
OSI参照モデルとネットワーク機器の対応表です。
ネットワーク機器は全て記載できていないかもしれませんが、主に使用される種類は網羅できているかと思います。
ネットワークエンジニアではL1~L3層の機器に触れる機会が多いかと思います。
ですが、最近はファイアウォールやSD-WANルータが導入される機会も増えているため、L4~L7層部分を扱うことも多くなってきているかと思います。
ロードバランサー SD-WANルータ |
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スイッチングハブ(インテリジェントハブ) |
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リピーターハブ(バカハブ) |
上位の階層にあるネットワーク機器は一般的に下の階層の技術も使うことができます。
例えば、L3スイッチやルータでは、L2層、データリンク層の技術であるVLANを使用することができます。
それなら、ファイアウォールならL1~L7の技術を全て使えるから、ルータではなくファイアウォールを採用すればいいと考えるかもしれませんが、ファイアウォールはルータと比較すると使える機能が多い分価格も高い傾向にあります。
ファイアウォールにしか使えない機能もありますので、こちらが必要・将来的に必要となるのであれば採用すべきと思いますが、基本的には最低限の機能・要件を満たせるネットワーク機器を採用するとよいかと思います。
OSI参照モデルとプロトコル、技術
全てではないですが、OSI参照モデルとプロトコルや技術の名称と合わせて記載しました。
ルーティング |
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スイッチング |
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L1層 |
物理層 |
Auto-negotiation Auto-MDI |
まとめ
OSI参照モデルは試験対策だけでなく、業務でも使用しますのでネットワーク機器や技術と合わせて覚えましょう。
さらに詳しくOSI参照モデルを知りたいという方は、こちらの書籍がおすすめです。
YouTube解説動画
鋭意編集中につき少々お待ち下さい。