令和5年度(2023年)秋季試験より情報処理安全確保支援士の試験の出題構成が変更になります。
この変更が発表されたのは2022年12月なのですでに知っている方も多いかとは思いますが、令和5年度春季試験の合格発表が終了し、これから令和5年度秋季試験に向けて勉強し始める方が多いこのタイミングで取り上げていきます。
変更内容
具体的な変更内容としてはこれまで午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験と午後に2つの試験がありましたが、午後試験と1つの試験に統合されます。
午後Ⅰ試験 試験時間:90分 出題形式:記述式 出題数:3問 解答数:2問 |
午後試験 試験時間:150分 出題形式:記述式 出題数:4問 解答数:2問 |
午後Ⅱ試験 試験時間:120分 出題形式:記述式 出題数:2問 解答数:1問 |
なお、試験の構成のみの変更で、試験の出題範囲自体には変更はありません。
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受験者への影響
今回の変更は受験者にとっては良い変更だと考えています。
そして、安心して欲しいのが勉強方法も大きくは変わらないと考えられます。
では、どのような点で良い影響があるのかをみていきます。
捨てることができる問題が増える
変更後の午後試験では4問中2問選択なので、つまりは『2問を捨てる』ことができます。
情報処理安全確保支援士の出題範囲・分野は多岐に渡ります。
私はネットワークエンジニアであるため、FW・クラウド・認証系など業務を通して使用する分野には強い傾向にあります。
一方で、セキュアプログラミングなど業務では扱わない分野には弱い傾向にあります。
このように自分の本業(バックグラウンド)によっては、強い分野・弱い分野が分かれるかと思います。
弱い分野を勉強して強くすればいいとは思いますが、毎年セキュアプログラミングが出題されているかというとそうではありませんし、セキュアプログラミング以外にも様々な分野がありますし、それらを全体的に底上げしようとすれば膨大な時間と労力がかかります。
100点でも60点でも合格なので、苦手は分野は対策をせず、試験のクセ(長文読解etc)に慣れて得意な分野だけで60点を目指して戦おうというのが私の考える情報処理安全確保支援士に最短・最速で合格する方法です。
これまでもこの勉強方法で合格報告を頂いていますが、今回の変更点を強調するのであれば、これまでの午後Ⅰ試験は3問中2問選択、午後Ⅱ試験は2問中1問選択でしたので、それぞれ1問しか捨てることができませんでした。
それが、今後は4問中2問選択になりますので、2問も捨てることができるようになります。
なので、苦手な分野を避けて、より自分の得意分野で戦うことができるかと思いますので、ぜひこの勉強方法も参考にしていただければと思います。
体力的負担の軽減
これまでは『午後Ⅰ試験:90分、午後Ⅱ試験:120分』で途中退席は可能でしたが、最後まで試験を受けた場合の『試験終了時間は16:30』です。
試験は春季試験は4月の第三日曜日、秋季試験は10月の第二日曜日に開催されます。
せっかくの休日を夕方まで潰してまで受験する必要があり、これが1つの受験する・しないといったハードルにもなっていたかとは思います。
試験日は変更になりませんが、今回の変更によって、『試験終了時間は15:00』となります。
途中退席は可能なので早い方は14時過ぎには開放されているかと思います。
せっかくの休日を半日潰してしまいますが、14時過ぎに終わるのであれば、まだまだせっかくの休日を楽しめそうではあります。
難易度の低下
これはあくまで予想となりますが、『難易度の低下』が予想されます。
午後Ⅰ試験は制限時間90分で3問中2問を解く必要があったので、『1問あたりにかけられる時間は45分』です。
午後Ⅱ試験は制限時間120分で2問中1問を解く必要があったので、『1問あたりにかけられる時間は120分』です。
変更後の午後試験は制限時間150分で4問中2問を解く必要があるので、『1問があたりにかけられる時間は75分』です。
1問あたりにかけられる時間=難易度と考えた場合に、『午後Ⅰ<新 午後<午後Ⅱ』となりますので、午後Ⅰよりは難しいけど午後Ⅱよりは簡単という問題が出題されるのではと考えられます。
さいごに
試験構成は変更となりますが、試験を受けやすくするための変更であるため、受験者にとっては良い変更と考えれます。
拘束時間が減るので試験が受けやすくなり、難易度の低下が予想されますが、そこに慢心せずに試験対策はこれまで通り行いましょう。
それでは皆様が合格されることを祈っています。