よくTwitterで『エンジニアに資格は不要』ということを発言している方を見かけます。
エンジニアと言っても、様々なエンジニアがあります。
では、私の本職であるネットワークエンジニアではどうでしょうか。
結論から言いますと、ネットワークエンジニアに資格は必要であると考えます。
資格が必要な理由
私が資格を必要であると考える理由は以下の3点です。
- 資格は自身の技術力を証明するもの
- 資格取得が業務上必須である
- 昇進のために資格が必要
それ以外にも資格が有効に役立つことがあります。
- モチベーション維持
- 合格したらお金が貰える
資格は自身の技術力を証明するもの
ネットワークエンジニアにとって資格は自分の技術力・知識量を証明するものです。
自分がこれぐらいの技術力があること、知識量があることを社会的に証明するものです。
例え、社内ですごく仕事のできる人や、知識量がすごい人がいても、その人が何も資格を持っていなければ、社外に一歩出た瞬間に、その人が仕事ができることや知識量がすごいということを証明するものがありません。
面接等で会話すれば伝わるかもしれませんが、こいつは資格を何も持っていないのかと書類選考で落とされてしまいます。
資格取得が業務上必須である
国や都道府県、市町村、官公庁などの公共案件を行う場合、体制図などを提出する必要があります。
その際、プロジェクトリーダーにはIPA情報処理推進機構の資格、例えばネットワークスペシャリストの保有者であることなどというように指定されることがあります。
公共案件を行う部署や会社なのであれば資格取得が必須とされることがあるかと思います。
昇進のために資格が必要
企業によっては昇進のために資格を必要とする企業があります。
昇進するために必要なのであれば、資格は取るしかないですよね。
モチベーション維持
エンジニアに勉強はつきもので、それはネットワークエンジニアでも同じです。
しかし、エンジニアである前に我々は人間です。
日々勉強するのは正直疲れますし、モチベーションの維持がすごく難しいです。
学生の頃、試験前だと徹夜したりと多少は勉強しましたよね。
自分でコントロールできない期限があると、人間は多少なりともやる気を出すものだと思います。
社会人になると試験はなくなりますが、資格を受けることで意図的に試験を作り出して、勉強を行うように仕向けることができます。
合格したらお金が貰える
こちらは勤めている会社によりけりですが、資格を取得すると、合格祝い金で一時金が貰えたり、月給が上がったりします。
勉強してお金が貰えるなんて、学生時代に思いもしませんでした。
20代で取得すべき5つの資格
では、資格が必要・必要と言っていますが、具体的にはどんな資格が必要になるかというと、私が思う20代で取得すべき5つの資格を紹介します。
ネットワークエンジニアとして働き始めて、5年以内に、これから紹介する5つの資格を全て取得してください。
1年に1つの資格を取得する計算としていますが、余裕があれば前倒しで取得して構いません。
1年目:CCNA
まず一番初めにCCNAを取得しましょう。
Cisco Certified Network Architectの頭文字を取ってCCNAです。
ネットワーク機器メーカの最大手であるCiscoの認定資格で、ネットワークエンジニアである以上、Cisco社の製品は必ず触ることになります。
まずはこの資格を取得することで、ネットワークの基礎やルータ、スイッチといったネットワーク機器の基本的操作を学ぶことができます。
ネットワークエンジニアとしての登竜門的資格です。
2年目:CCNP
次に取得を目指して欲しい資格はCCNPです。
Cisco Certified Network Professionalの頭文字を取ってCCNPです。
前述のCCNAの上位資格に当たります。
この資格を勉強をすることで、ネットワークの設計や設定、トラブルシューティングができる能力が身につきます。
この資格の勉強をする前とした後では、別人のようにネットワークに関する知識・技術が異なります。
2020年2月に試験内容の大幅改定が行われ、以前より難易度は上昇してしまいました。
3年目:LPIC-1
次に取得と目指して欲しい資格はLinuxというOSの資格でLPIC-1になります。
ネットワーク機器はLinuxベースで動作しているものが多く、Linuxの操作や使い方に慣れておいた方がいいです。
LinuCという同じようにLinuxの資格がありますが、LinuCは国内向けの資格なので、国際的価値を考えるとLPICの方が有益なのでLPICをオススメします。
会社によってはLinuC推奨の会社もあると思うので、その場合はLinuCでも構いません。
4年目:クラウド系
Amazonが提供するAWS(Amazon Web Service)もしくは、Microsoftが提供するAzureの資格を取りましょう。
両方取得する必要はありません。
業務で扱っている方や好きな方でいいと思います。
基本的な仕組みはAWSもAzureも一緒で、サービス名や細かい仕様が違うくらいなので概要を学ぶ分にはどちらでもよいです。
AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト
AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトはAWSのサービス全般の知識を広く浅く問われます。
この資格を勉強することでクラウドに関する最低限の知識が身につきます。
クラウドはネットワークとは毛色の違う知識ですが、今やネットワークとクラウドは切っても切り離せない関係になってきています。
AZ-900 Microsoft Azure
AZ-900はAzureの初歩的な資格となっています。
この資格を勉強することで、クラウドとは何なのかということが学ぶことができます。
5年目:ネットワークスペシャリスト
今まで紹介してきた資格はベンダー資格になり、何か特定の製品やサービスの資格になります。
一方で、ネットワークスペシャリストは国家資格になり、ネットワーク全般の知識や実際に業務を想定した知識が必要となります。
ネットワークスペシャリストの前段階の資格である、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は必須ではないと思います。
ネットワークスペシャリストをいきなり受ける方が効率が良いです。
こちらを取ればネットワークエンジニアとして、本当に一人前になったと思います。
番外編:TOEIC
番外編としてIT関連の資格えではありませんがTOEICを紹介します。
言わずと知れた英語のリスニングとリーディングの試験になります。
ネットワーク機器の多くは海外製品です。
マニュアルも翻訳されたものがたまにありますが、多くは英語ですし、翻訳されるのに時間がかかるので最新のものは英語です。
なので、ネットワークエンジニアにとって、英語のリーディングは必須スキルです。
もちろんリスニングやスピーキング、ライティングのスキルもあれば、グローバル案件で海外出張や英語が必要な外資系企業への転職の道もひらけてきます。
資格は取るだけで終わってはいけない
勉強をし、資格を取得してやったーと喜んで終わりにしてはいけません。
資格は取ってからがスタートで、どう活かすかが重要です。
資格で学んだことを業務に活かして、効率化を図ったり、次の新しいことにチャレンジするものです。
CCNA、CCNP、LPIC-1のようなベンダー資格には運転免許証の裏校のように直近に出題された試験の答えを教えてくれるようなサイトやサービス、研修が存在します。
これらを使用しても合格は合格ですが、知識は身に付いていないけど資格は持っているいわゆる資格だけホルダーにならないようにご注意ください。
資格と知識を両方取得し、資格に合格した日はお酒を飲んだりして、思いっきり喜んでください。