多くの社会人や学生にとっての新年1発目の平日。
2026年1月5日(月)に『日経クロステック』にて経済産業省が情報処理技術者試験の試験見直しに関する検討案を示したことが報じられ、そのニュースは我々受験者にとってとても衝撃的な内容でした。

今回はそのニュースをおさらいしつつ、受験者の影響として考えられることを述べていきます。
情報ソースとして合わせて『日本経済新聞』のページも参照しております。

現時点では推測となる情報を多く含みます。
応用情報技術者試験・高度試験の見直しポイント
今回ニュースに掲載された見直しのポイントは以下の4点となっています。
- データマネジメント試験(仮称)新設
- ITパスポート試験の内容見直し
- 応用情報技術者試験・高度試験の再編
- 試験実施方法をCBT方式に変更
見直し①:データマネジメント試験(仮称)新設
非エンジニアを対象としたデータマネジメント試験(仮称)の新設を検討しているとのことです。
データの活用や管理などのスキルの習得と評価を目的とした試験で、位置づけとしてはITパスポートの次に受ける試験とのことです。
ITに関する知識は非エンジニアでも求められる時代ですので、国家試験が定められるのは良いことなのではないでしょうか。
見直し②:ITパスポート試験の内容見直し
ITパスポートがAI活用、DX、データマネジメントなど今の時代に沿った出題が強化されるとのことです。
現状非エンジニアを対象とした試験を担っているのがITパスポートですが、せっかく勉強して身につけた知識も業務とかけ離れた内容であれば、しばらくしたら忘れてしまう可能性があります。
知識の即効性といいますか、資格取得に向けて勉強したことが業務で使うAI・データマネジメントなどであれば、業務ですぐに役立ちそうな印象を受けますし、業務で使うのであれば知識が定着もするでしょうから、こちらも良いことだと感じます。
見直し③:応用情報技術者試験・高度試験の再編
私のブログ・YouTubeを見てくださっている方および私にとって一番影響のあるポイントはこちらかと思います。
2027年度以降に現状の応用情報技術者試験と高度試験を再編し、『マネジメント・監査』、『データ・AI』、『システム』の3領域に大きく区分けし、『プロフェッショナルデジタルスキル試験』として3つの試験に再編するとのことです。
ざっくりと言えば、応用情報技術者試験と高度試験が合体し、3つの試験に生まれ変わります(予定)ということです。
3つの領域をすべて取得することが推奨とのことなので、3つ取ることで〇〇士や〇〇スペシャリストのような資格・称号が得られるようになるかもしれません。
・ITストラテジスト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・ITサービスマネージャ試験
・システム監査技術者試験
【データ・AI】
・データベーススペシャリスト試験
【システム】
・システムアーキテクト試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
応用情報技術者試験レベルの試験がなくなる
再編により応用情報技術者試験がなくなろうとしているわけですが、記事には『試験の立て付けとして専門分野は選択式となっており習得知識やスキルの偏りが課題だったという。』との理由が記載されており、個人的には納得です。
応用情報の午後試験では専門分野を選択することができます。
問1:セキュリティは必須問題であるため全員必ず選択する必要がありますが、問2~11の中から4つを選択します。
試験の主催側としては、応用情報技術者試験レベルであれば問1~11まですべて勉強して欲しいのだとは思いますが、そんな受験者はおらず問2~11の中で4つか保険をかけて5つに絞って勉強をする方がほとんどかと思います。
私ならネットワーク・セキュリティが自分の業務と関連する分野ですが、そんな人間が業務とあまり関係のないデータベースなどをわざわざ勉強してまで、全領域対策を行い受験するかというと答えはNoです。
比較的簡単で勉強がそこまで不要と言われるような組み込みシステム開発、サービスマネジメント、システム監査か経営戦略あたりを勉強して受験するかと思います。
それなら、無駄(勉強することは無駄ではないですが。。)に他の分野を勉強させるよりも、いきなり高度試験レベルを受験してもらった方が効率が良いよね、ということかと思いますので納得の理由ですね。
情報処理安全確保支援士はどうなる!?
情報処理安全確保支援士は再編の対象外となると考えられます。
私立大学連盟の情報では『情報処理安全確保支援士は再編の対象外』とする記載も確認できます。
https://www.shidairen.or.jp/files/user/johosyori_minaoshi.pdf
世間ではAIが騒がれていますが、同時に重要視されているのがセキュリティです。
システム領域に含まれると言われたら、含まれるとは思いますが。。
境界型防御が主流の5~10年近く前ならシステム領域(特にネットワーク)に含まれると言われても納得ではありますが、セキュリティを取り巻く環境はAI同様に日々変化して現在はネットワークに限らず多岐に渡りますので、セキュリティ単独で試験が行われるべきだと考えます。
取得済の旧試験はどう扱われるのか!?
例えば、今後応用情報技術者試験自体がなくなるわけですが、せっかく合格したのに応用情報技術者試験と履歴書に書けなくなるのか!?と不安になるかと思います。
ご安心ください、履歴書に書くことができます。
同様にネットワークスペシャリストやその他の高度試験に関しても記載することができます。
ただし、試験自体の効力は一生ではありますが、採用・転職などの際に一般的にプラスの評価を受けるのは再編後3年~5年程度が目安です。
これぐらいの期間内であれば、会社側も試験の再編があったことを把握していますので、評価の対象になります。
3年~5年としたのは一般的に旧名の認知度が落ちてしまうことを考慮してです。
これ以上の年数が経過しても引き続き履歴書に書くことができますし、一定の評価はされるかと思います。
ただし、場合によっては取り直しが必要になると考えられます。
官公庁系の案件の場合はネットワークスペシャリスト取得済のメンバー◯名が参加することなど、資格取得が要件になることが多いです。
再編後は同じく3年~5年程度は新試験名もしくはネットワークスペシャリストのように併記され、その後は新試験名のみが表記されるようになると考えられ、新試験が世間に定着をしたら取り直しは必要になると考えられます。
私もネスペ・情報処理安全確保支援士(未登録)に合格してしばらく経ちますので、再編されたら受験してこようかと思います。
見直し④:試験実施方法をCBT方式に変更
これまでの紙ベースの試験であるPBT(Paper Based Testing)方式から、ベンダー試験のようにテストセンターでPCを用いて行うCBT(Computer Based Testing)方式に変更するというものです。
こちらは2025年8月にすでに発表されており、『別途ブログ』にもまとめています。

今回の発表において気になる文言は『応用情報・高度試験は、見直し後の試験をCBT方式に適した出題形式へ変更』・『論述試験のあり方は、2028年度以降に向けて継続検討』の2点です。
再編後は選択制のみになる!?
キャッチーな文言を使ってしまいましたが、2026年1月現在ではあくまで推測のお話です。
『応用情報・高度試験は、見直し後の試験をCBT方式に適した出題形式へ変更』という部分のCBT方式に適した出題形式について、すごくポジティブに考えていきます。
すでにCBT方式化されているITパスポート・基本情報技術者試験では選択制の問題が出題されています。
ベンダー資格で考えると、同じく選択制の問題が出題されています。
選択制の問題以外ではCCNA・CCNP(5年以上前に私が受験した当時)ではIPアドレスやセグメント・コマンドをキーボードを使って記入する形式や、実際にルータやスイッチにコマンドを入力して設定を行う形式も出題されていました。
LPIC・LinuC(5年以上前に私が受験した当時)では、コマンドをキーボードを使って記入する形式が出題されていました。
Linuxであればライセンスの問題をクリアできそうですが、ルータやスイッチの実機(正確にはシミュレーション画面)操作はライセンスなどの問題が絡むため、出題は難しいと考えられます。
つまりは、選択制と単語レベルの記述式しかでないのでは!?とも考えることができます。
少なくとも2026年度は現行試験がそのままCBT化されることがIPAより発表されていますので、再編後どうなるかは今後の発表を見守りましょう。
論述試験は2027年度まで同じ!?
現在の試験で論述試験が行われているのは以下の試験です。
- ITストラテジスト試験:午後Ⅱ
- システムアーキテクト試験:午後Ⅱ
- プロジェクトマネージャ試験:午後Ⅱ
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験:午後Ⅱ
- ITサービスマネージャ試験:午後Ⅱ
- システム監査技術者試験:午後Ⅱ
2027年度に試験の見直しが行われ、2028年度以降に向けて論述試験のあり方を継続検討するので、少なくとも2027年度までは現行と同じ論述試験が行われると推測することができます。
現状は手書きですが、2026年度からはCBT方式となるためキーボードによる入力となる変更はありますが、試験の形式は変わらないと考えられます。
応用情報技術者試験の午後問題、ネットワークスペシャリスト・データベーススペシャリストの午後Ⅰ・Ⅱ、上記試験の午後Ⅰ、情報処理安全確保支援士の午後問題で出題されている形式は記述式として呼称されているので対象外です。
今後の追加発表について
2026年2月26日(木)、2026年4月23日(木)に情報処理試験を活用している法人を対象としてオンライン説明会の実施が行われます。
追加の情報や具体化された内容がこの説明会で発表されることが予想されますので、続報を待ちましょう。
令和8年度(2026年度)春季試験の開催は!?
本来であれば2026年1月に2026年度4月に開催される春季試験の申し込みが開始されているはずですが、現状は開始されていません。
法人向けのオンライン説明会が2026年4月23日(木)に開催されることから、おそらく4月までに開催されることはないのではと考えられます。
さらに、『CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2025年4月26日以降の受験申込みに関する重要なお知らせ』が2025年4月16日にIPAから発表されています。

内容としては2026年4月27日以降1ヶ月程度、ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験の実施を休止するというものです。
IPAはシステムリプレース、委託先事業者との契約更新等に伴うものとしています。
ここからは推測とはなりますが、日程的なものを考えたときにこの休止が応用情報技術者試験・高度試験のCBT化によるもので、休止明けの6月から試験が行なわれるのではと推測することができます。
2026年度の受験を検討している方へ
勉強を続けて2026年度の受験・合格を目指しましょう。
現状はなにより過去問が豊富です。
また、様々な書籍や私のように試験解説などを行っている方などもいて、試験対策の手段が潤沢にある状況です。
CBT化はまだしも再編後の1発目の試験はどう対策を取るべきかがわかりませんので、今のタイミングを逃したら資格取得は2~3年後となる場合もあります。
たしかに、試験の再編があるため再編後に取り直しとなり、二度手間となる可能性もあります。
再編されることで正確にどうなるかはわかりませんが、応用情報技術者試験レベルがなくなり実質難易度上昇、複数領域の勉強をする必要があり負担上昇というデメリットも考えられます。
つまりは勉強方法が分かっている今、取れるなら取れるうちに取っておいた方が良いということですね。
あとは、転換期だったりイレギュラーがある年は受験者や合格者確保のために難易度調整が行われたりする可能性がありますので、受けてみたら意外と受かったなんてこともあるかと思います。
おわりに
IPA公式など、また情報がアップデートされましたら、別途ブログを記載したいと思います。
現時点では推測となる情報を多く含みますので、あくまで情報や考察の1つとして受け取って頂けますようお願いします。
まとめ
・データマネジメント試験(仮称)新設
・ITパスポート試験の内容見直し
・応用情報・高度試験の再編し、『マネジメント・監査/データ・AI/システム』の3領域に大きく区分け
・情報処理安全確保支援士は再編対象外
・2026年度から試験実施方法をCBT方式に変更
・2026年度春試験は2026年6月実施と予想
・再編後はCBTに適した出題形式になる
・論述試験のあり方は2028年度以降に向けて継続検討
・2026年2月26日(木)、2026年4月23日(木)開催の法人向けオンライン説明会で追加や詳細発表の可能性あり
・再編が行われても旧試験名で履歴書などには記載できる
・受験予定の方は勉強を続けて、再編前の取得を目指しましょう
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鋭意作成中に付き少々お待ちください。

