EVE-NGでCentOSを構築していた際に、インターフェースを2つ設定したのですが、
片方をアップさせると片方がダウンし、
どちらか1つのインターフェースしかアップしない、という謎の事象に見舞われました。
切り分けてみると意外と簡単に解決することができましたので、
私が忘れないうちに備忘録も兼ねてその解決方法をご紹介します。
事象
事象はGUIでみるとわかりやすいので以下のようになっています。
ens3とens4とある2つのインターフェースのうち、
どちらか片方しかアップさせることしかできないのです。
アップしていない方をアップさせると、
アップしていた方がダウンになるという事象です。

なぜインターフェースが2つ必要か
ちなみにですが、なぜインターフェースが2つ必要かというと
管理用と通信用でインターフェースを分けて使用したいからです。
1つのインターフェースでもいいのですが、
パケットキャプチャをした際に通信が混ざって、
確認や切り分けなどが面倒になったりしますので分けています。
解決方法
EVE-NG公式からダウンロードできるCentOSのイメージを読み込ませると、
デフォルトでGUIモードが有効となっていますので、GUIで最低限の操作を行っていました。
CLIでインターフェースのリンクアップを試みます。
[root@localhost ~]# ifup ens3 Could not load file '/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ens3' Error: unknown connection '/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ens3'.
お、ファイルがないってエラーが出ていますね。
ファイルがないならファイルを作成してみましょう。
[root@localhost ~]# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ens3 [root@localhost ~]# cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ens3 DEVICE=ens3 BOOTPROT=none ONBOOT=yes NETMASK=255.255.255.0 IPADDR=10.0.0.2 USERCTL=no
軽く設定内容について触れていきます。
インターフェース(NIC)の名称を設定します。
『ifconfig』やGUIの画面上でも確認できますので、同じ名称を記載します。
同じ名称でないとエラーが発生します。
BOOTPROT
IPアドレスを固定で設定したい場合は『none』、
DHCPで設定したい場合は『dhcp』と設定します。
ONBOOT
起動時自動的に接続するかどうかの設定です。
基本そのようにしたいと思いますので『yes』と設定します。
NETMASK
サブネットマスクを設定します。
DHCPで設定をする場合は不要です。
IPADDR
IPアドレスを設定します。
DHCPで設定をする場合は不要です。
USERCTL
root権限でないユーザでも操作可能かどうかを設定します。
『yes』はroot権限ユーザでない一般ユーザでも操作することが可能となりますが、
今回は検証環境で、基本的にroot権限ユーザで操作を行うので『no』としています。
その他にも細かい設定はありますが、
基本的にこれらの設定だけで問題ないかと思います。
設定が完了しましたので、インターフェースをアップさせます。
[root@localhost ~]# ifup ens3 Connection successfully activated (D-Bus active path: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/10) [root@localhost ~]# ifconfig ens3 ens3: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500 inet 10.0.0.2 netmask 255.255.255.0 broadcast 10.0.0.255 inet6 fe80::250:ff:fe00:200 prefixlen 64 scopeid 0x20<link> ether 00:50:00:00:02:00 txqueuelen 1000 (Ethernet) RX packets 809 bytes 215432 (210.3 KiB) RX errors 0 dropped 12 overruns 0 frame 0 TX packets 54 bytes 7109 (6.9 KiB) TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0 [root@localhost ~]# ping 10.0.0.1 PING 10.0.0.1 (10.0.0.1) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 10.0.0.1: icmp_seq=1 ttl=64 time=2.37 ms 64 bytes from 10.0.0.1: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.915 ms
インターフェースをアップさせることができました。
ステータス確認と疎通確認をして、共に問題ないことを確認できました。
今回の原因としては設定ファイルがインターフェース名と異なる、
『ifcfg-Profile_1』というファイル名で作成されていたことのようです。
[root@localhost ~]# ls /etc/sysconfig/network-scripts/ ifcfg-ens3 ifcfg-Profile_1
同様にens4用の『ifcfg-ens4』設定ファイルも作成して、
双方のインターフェースをアップさせることができました。

まとめ
2つのインターフェースのうち、
どちらか片方しかアップさせることしかできない
アップしていない方をアップさせると、アップしていた方がダウンになる
原因
設定ファイル名が『ifcfg-Profile_1』というファイル名で作成されていた
解決策
『ifcfg-ens3』のようにインターフェース(NIC)と同じ名称の設定ファイルを作成する
同じ事象に遭遇したら上記の方法を試してみてください。